漆黒.and
2022
漆黒折敷
折敷として
料理を美しく魅せ
裏面には加飾を施し
折敷として使用したあとは
インテリアとして
空間を彩る
そんな折敷を目指し制作しました
工程
中塗り
黒呂色漆で塗り
(写真は3回目)
水研ぎ3回目
塗りと研ぎを6回繰り返します。
下地の代わりに中塗りの回数を増やしました。
布着せに使う
漆の準備
糊漆(のりうるし)
上新粉を水で溶き火にかけ
糊を作ります。糊と漆と混ぜます。
麦漆(むぎうるし)
小麦粉を水で練り
漆を加えます。
糊漆と麦漆を混ぜ、
この漆を使って布を
貼り付けます。
2022漆黒折敷
桐
・30cm×30cm ×2
・30cm×45cm ×4
刻苧彫り(こくそぼり)
木地のワレや節などを彫ります。
木地固め
漆を希釈する場合もありますが、今回は希釈なしで木地全体に生漆を塗りました。
目摺り研ぎ
全体をペーパーで研ぎます。
刻苧(こくそ)
麦漆に砥の粉と細かくした綿を混ぜて作ります。
刻苧埋め
刻苧彫りをしたところに刻苧で埋めていきます。
刻苧掻い
刻苧で埋めたところを刃物で削ったりペーパーで研いで整えます。
目摺り(めすり)
錆漆を木目を埋めるように塗っていきます。
錆漆(さびうるし)
砥の粉に水を加えて練り
そこに漆を加えて作ります。
材料
・生漆、黒呂色漆、木地呂漆
・砥の粉
・布(綿)
・水
・上新粉
・黒蝶貝
・金粉
・錫粉
・豆腐
布目揃え
貼り付けたあとは余分な部分を切り取り、全体をペーパーで研ぎました。
布着せ
布を糊漆と麦漆を混ぜたもので全体に貼り付けていきます。
固め
生漆を塗って固めます。
布目摺り
錆漆を布目を埋めるように塗っていきます。
布目摺り研ぎ
ペーパーで研いで形を整えます。
固め研ぎ
折敷面(呂色仕上げ)
胴摺り
クリスタル砥石で
#1500、#2000、#3000
と番手を上げながら研いでいきます。
平面にしながら刷毛目や傷を消していきます。
艶上げ
完成
鏡面になるよう磨き上げます。
磨き上げの合間に漆を摺りつけています(摺漆)。
加飾面(螺鈿)
貝を漆で貼っていきます。
この作品では黒蝶貝を使用。
貝を貼ったあと全体に黒呂色漆を塗り軽く研ぎます。
そして研いだあとに再度貝を貼り
この工程を3回に分けて繰り返し
貝を貼るタイミング分けることで層をつくり
仕上げの研ぎで貝を3種類の薄さにします。
そうすることで貝の表情に変化ができ
月の印影やクレーターを表現できるのではと思い挑戦しました。
呂色仕上げと同様に研ぎと磨き上げ鏡面に仕上げます。
完成
所々軽く研ぎ、絞漆(豆腐と漆を混ぜたもの)を塗り錫粉を蒔きました。
加飾面(沈金)
沈金刀(お手製)で彫っていきます。
彫り終わった様子。
彫っている様子
彫るというより突いてます。
本来の点彫とは違ってます。
完成
絞漆を塗ると凹凸ができます。
凹凸を作ることで呂色面を表にしても、加飾した面とテーブルの間に隙間ができ、擦れによる傷をつけにくくしています。
また、絞漆もデザインとなるよう考えました。
この工程によって両面使いを実現しています。
螺鈿のときと同じように絞漆を塗り錫粉を蒔きました。